仙台社会保険病院


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耳鼻咽喉科概略


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当科の紹介

当院の特色であります腎疾患の内科的・外科的治療に連携し、IgA腎症患者さんの病巣感染扁桃摘出術と、中耳・喉頭を初めとする機能改善手術が当科の2本の柱です。診療内容の特徴を下記に箇条書きにしました。適切な診断治療で改善が得られる事も多い分野です。


1. IgA腎症患者の扁桃摘出術

腎センターと連携しおそらく世界一の症例数と治療成績を示しています。12日間の入院で、多くの症例で尿所見の改善がえられています。過去5年間の扁桃摘出術症例は1000件を超えます(下図)。学会では、IgA腎症の扁桃摘出術中1000mlを超える出血があったなどの報告もあり、また5〜10%の術後出血の発症が報告されていますが、当院では術中出血は50ml以下、術後出血も0.8%と安全に手術が遂行されています。当院腎センターの良好な治療成績をインターネットで知り、国内はもとより、海外からの治療希望もあります。院内の腎疾患研究センターならびに病理部には、最新の検査設備や電子顕微鏡が整備されており、名倉名誉教授のご指導の元、採取した扁桃と、術前術後の血液・尿を資料に病巣感染症の本態に迫る研究も進行中です。


扁桃摘出術症例数

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2. 急性炎症性疾患

急性扁桃炎を初めとする頭頚部の急性炎症性疾患は一週以内の入院で完治しています。検査部との共同研究で、細菌性か、ウィルス性か、混合感染か、初診時にほぼ判定できるようになり、適切な治療方針のもと入院期間の短縮につながっています。小児例は小児科と連携し治療に当たっています。


3. 睡眠時無呼吸症候群

最近話題の本疾患も当院は国土交通省よりその診療機関に指定されています。呼吸器内科の岡部クリニック、歯科の柏崎歯科クリニック、歯学部佐々木教授教室と定期的に症例検討会を開催しながら、常時患者さんの紹介・逆紹介を行い、症例ごとに最適な治療(下図)を複数科で検討選択しています。体重100Kgを超える患者さんの扁桃摘出術も年間数例施行されますが、IgA腎症の扁桃摘出術で培った技術で周術期管理をおこなっています。在宅でのスクリーニング、2泊3日入院でのポリソムノグラフィーによる精査を下に、外科的治療、CPAP導入の経験が豊富です。


症例ごとの最適な治療

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4. 中耳疾患

滲出性中耳炎に対しては、充実した検査機器による診断の下、保存的治療、外科的治療の適応を決め治療成績を向上させています。また真珠腫性中耳炎・慢性中耳炎・癒着性中耳炎に対し聴力改善手術を行っています。


中耳疾患症例

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5. 音声外科

声帯ポリープから老人性嗄声・反回神経麻痺・痙攣性発声障害など比較的稀な疾患まで豊富な診療実績があります。12日間の入院です。小さい声帯ポリープでは日帰り手術も行っています。早期喉頭癌のレーザーメスによる音声温存手術も経験豊富です。音声検査機器、KTPレーザー等喉頭手術に必須の機材が完備されている施設は東北一円でも当院に限られ、他県からの紹介患者もあります。小児の気道狭窄に対する手術も、担当しています。


音声外科機器

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6. 胃酸逆流症による咽喉頭異常感

のどがいらいらする、ご飯はよく通るがのどに何がつまっている感じがする、夜咳がひどくて眠れないといったのどに関する多彩な訴えで受診される患者さんがいらっしゃいます。まるで、のどにえへん虫がいるような感じです。内科の先生に診ていただいても、肺、気管には異常がない場合が多いようです。このような症状の原因として、慢性副鼻腔炎いわゆる蓄膿症、慢性扁桃炎、自律神経の緊張による咽喉頭異常感症などの病気が知られていますが、最近話題なのは胃酸が食道、咽頭に逆流する逆流症です。逆流した胃酸によってのどの粘膜がただれてしまって、のどに様々な症状が生じます。近年、この胃食道逆流症の患者さんが日本に於いて増加する傾向がみられています。背景として食生活の欧米化、高齢化、ストレス増などが原因に上げられています。本疾患は胸やけの症状があるときは診断がつきやすいのですが、のどの症状のみを訴えられる場合もあり診断に苦慮する場合もあります。患者さんは症状の強さにより耳鼻科、消化器内科、呼吸器内科等を受診され、その後症状が変わると再度他科を受診し、根本的な解決が望めない様です。今後も患者の増加傾向は進むと考えられており、専門的に治療を進められる施設が求められております。


当院では、耳鼻咽喉科、消化器内科、呼吸器内科が連携し、定量的な検査システムを構築し正確な診断の下、各科での専門的な治療を行っています。消化器内科での上部消化管内視鏡検査、呼吸器内科での気道過敏性検査、耳鼻咽喉科での咽喉頭内視鏡検査、食道内24時間pHモニター、食道内圧検査が具体的な検査の内容です。特に食道内24時間pHモニターは胃酸の逆流の有無の直接的な証明に最も有効な検査法です。検査は1泊2日の入院が必要で、食道内圧検査により食道運動の評価を行った後、病棟にて24時間のpH検査を行います。経鼻でカテーテルを食道内に挿入し、携帯型のモニターに接続するのみの簡便な検査で、患者さんの負担、侵襲性共に軽度です。図のように検査結果は横軸の時間経過により、縦軸に食道内のpHの変動が示されます。この患者さんの場合は夕方から深夜にかけて頻回に逆流が起こり、食道内のpHが低下しているのがわかります。一般に患者さんが訴える症状の日内変動と酸逆流の時期はよく一致しています。


24時間食道内pHモニタリング

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治療は投薬治療が主で、胃酸分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)、H2ブロッカー等が処方されます。診断を正確にすることにより88.9%に症状の緩解をみています。このほか、就寝前3時間は食事をしない、枕を高くして胃酸の逆流を防ぐ、ビール、炭酸飲料、柑橘類、高脂肪食は避けるといった生活上の注意も必要です。


プロトンポンプ阻害薬投薬効果

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7. 慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎

病診連携によりご開業の先生にも手術をお願いし、退院後は診療所で経過を見ていただくことにより、治療成績を向上させています。1週間の入院です。スギ花粉症に対しては日帰りでレーザー手術も施行しています。


8. 神経耳科学

主任部長の朴澤はインターネットのドクターズファイルで東北・北海道地区の日本の良医に選ばれ、また某誌で日本めまいの名医50人として紹介されました。顔面神経麻痺、突発性難聴、眩暈に対して、当院では合併症の多い症例がほとんどですが充実した検査機器による正確な診断の下、良好な治療成績をあげています。顔面神経麻痺では10日間の入院が必要です。感音難聴者への、補聴器の適合も毎週水曜日に施行しています。


9. 嚥下障害

高齢化社会に伴い嚥下障害、誤嚥を訴える患者さんが増えています。耳鼻咽喉科としては新しい分野ですが、精査により病態を把握し、薬物療法、外科的治療によりQOLの向上を図っています。下図は、頸椎の異常突起による嚥下障害が手術により改善された例です。白い部分が嚥下したバリウムで、術後の食道が拡大しているのがわかります。


嚥下障害・術前と術後

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10. 味覚・嗅覚障害

五感をなす味覚・嗅覚。人生を楽しむには無くてはならない感覚ですが、種々の要因により感覚の低下を招いて来院する患者さんが増えています。精査の上薬物療法あるいは、外科的治療の適応となります。


■診療実績

年間400件前後の手術を施行しています。内訳を過去5年間の平均手術件数として以下に示します。

表1:耳鼻咽喉科平均手術件数
扁摘 IgA-Nを含む扁桃病巣感染症 151件
習慣性扁桃炎 28件
睡眠時無呼吸症候群 11件
チューブ留置と小児睡眠時無呼吸症手術 19件
声帯ポリープ、結節切除 38件
喉頭癌に対するレーザー手術 9件
喉頭形成術 27件
内視鏡下副鼻腔手術 51件
鼻腔形成術 12件
鼓室形成術 14件
鼓膜形成術 11件
耳下腺腫瘍摘出 8件
顎下腺摘出(唾石症を含む) 3件
側頚嚢胞、正中頚嚢胞摘出術 5件
喉頭全摘術、喉頭部分切除術 6件
嚥下改善手術 2件
鼻骨骨折整復術 3件

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各担当医師紹介

  • 朴澤 孝治 (耳鼻咽喉科主任部長)
    卒年
    昭和56年卒
    専門領域
    耳鼻咽喉科・頭頚部外科
    認定医/専門医
    日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本ホメオパシー医学会認定医、日本アロマ協会アロマテラピーアドバイザー、Best Doctors in Japan 2008-2009
  • 大越 明 (耳鼻咽喉科医員)
    卒年
    平成16年卒

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